書籍『ベンゾ系睡眠薬・抗不安薬の安全な離脱方法 改訂版』(A5版284ページ)販売中)

    体験談:『15か月間苦しみ続けていたところ、いきなり回復』

    15 months no windows and healed in an instant.

    著者:
    Dave 86
    投稿:2017年5月17日

    ベンゾジアゼピン断薬後、常識的には時間薬(時間経過とともに自然にゆっくりと治癒すること)によって徐々に回復する場合ががほとんどですが、稀に、一気断薬等で非常に厳しい離脱症状に陥り、数年以上たっても改善がないにもかかわらずある日いきなり回復する、という事例がございます。海外のみならず、国内でも時々「自分もそうでした」という声をお聞かせいただいています。

    現在苦しんでいる方々に、一条の光になればと思い、その一例を拙書『ベンゾ系睡眠薬・抗不安薬からの安全な離脱方法』より抜粋して掲載いたします。
    文字数の関係でここでは1例だけ少し端折って掲載します。全文を読みたい方は、当書籍の第8章に掲載している2つの事例、「体験談:『2年後、100%回復』」および「体験談:『15か月間苦しみ続けていたところ、いきなり回復』」をご覧ください。

    ※  突然の回復を期待して、ぜったいに無理に早く減薬・中止しようとしないでください!


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    体験談:『15か月間苦しみ続けていたところ、いきなり回復』― ベンゾバディ投稿記事より
    (2017年5月11日投稿)

    20年前、わたしは手と顔のうずきで眠れなくなり、クロナゼパム(リボトリール・ランドセン)0.5mgと抗うつ剤を処方されました。主治医は「クロナゼパムも抗うつ剤も完璧に安全で依存性もない」と言いました。1990年代のことです。当時この主治医は全国的に有名でラジオ番組をいくつも持っていました。インターネットはまだ一般的でなく、医師の言うことはみな信じる時代でした。
    服用して6か月、夜のうずきは無くなり、以前のように眠れるようになりました。 しかし、ゆっくりと、ゆっくりと物事が崩壊し始めました。

    …中略…

    15年経つ頃にはあらゆる喜びを感じなくなり、物事はすべて悲壮感を伴って感じるようになっていました。20年後、妻は離婚を申し出ました。彼女を責めることはできませんでした。
    この頃にはすでに、自分の感情鈍磨がどうやらクロナゼパムの長期使用のせいであると気づいていました。そしてベンゾバディを通じて依存症専門病院でのデトックス(での断薬)は危険であることもすでに知っていましたが、かなり甘く考えてしまい、迂闊なことに依存症専門病院で薬を止めようと決断してしまったのでした。

    …中略…

    3週間入院し、退院となりました。ええ、クロナゼパムからは抜け出せたのです。しかし、多くの別の処方薬が追加されていました(インデラル、トラドゾン、レメロン、ガバペンチン…)。
    ここでようやくわたしは気づいたのです。ベンゾジアゼピン離脱の問題は正確に理解されておらず、現代医療はどう対処してよいかわかっていないということを。問題に対してより多くの薬を追加する、という訓練しか受けていないことを。わが国(英国)の医療は、この問題の対処方法を認識できていないということを!

    依存症専門病院を退院してから15か月間、離脱症状の激しさはまったく変わりませんでした。みなさんがよく経験する“調子の波”すらありません。抱えていた症状について最も近い表現は「24時間365日続く絶対恐怖感」です。愛しい人と話すことすら恐怖なのです。相手が我が子でも恐怖!、なのです。

    …中略…

    毎日のように死なせてほしいと神に祈りました。しかしそんな祈りは無駄で、家族のために生きることにしました。

    身体的には比較的大きな症状がなく、家族経営のオフィスに通うようにしました。姉と秘書もオフィスにいて親切にしてくれました。
    通常、みなさんの離脱症状は波があり、悪いときとマシな時がありますよね。そして長い時間をかけて回復へのフェーズ(段階)を踏んでいきますよね。しかしわたしには波など無く、したがってマシな時などまったく無く、改善もなく、つねに絶対恐怖を感じながら、15か月間オフィスのデスクで働いているフリをしてやり過ごしていたのです。。。

    ある日のことです。

    まるでスイッチが入ったかのように、絶対恐怖感がいきなり消え去りました
    あまりにも突然のことに、デスクに座ったまま驚いてわたしは固まってしまいました。なんとも不思議な突風でした。それまで誰かと会話することが恐怖と苦痛でしかなかったのに、ながらく不通であった友人に会いに行き、存分に語り合いたい気分になっていました。

    その日の夜、もしかしたらみなさんがよく経験する波(悪いときとマシなとき)のマシな時でしかないのかもしれない、と思いもしましたが、どうやら杞憂のようでした。確信するのに数日かかりましたが。

    ベンゾ以外の薬をやめることはさほど難しくありませんでした。服用していた他剤(インデラル、トラドゾン、レメロン、ガバペンチン)のテーパリング(漸減)は一生かかるのかもしれない、と戦々恐々としていたものの、実際は6~8か月かけて他剤を減薬しやめることができました。その間、一度も離脱症状はありませんでした。

    今はすべての薬をやめていて、気分はとても良いです。今年のハイライトは春休みに子供たちをスキー旅行に連れて行ったことです。皆様のご多幸をお祈りいたします。なんとかこらえてください。ベンゾバディを何年も見てきました。みなさんにもかならず回復は起こります。
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    ※ 注釈:ベンゾバディ」とは、世界最大のベンゾジアゼピン離脱関連オンラインコミュニティのことです。
    ベンゾバディURL:http://www.benzobuddies.org/forum/index.php
    ベンゾバディについて言及しているキャサリン・ピットマン博士の講演 → こちら


    (翻訳&注釈:ベンゾジアゼピン情報センター 管理人


    著者:Dave 86
    Dave 86

    20年間、クロナゼパム(リボトリール・ランドセン)0.5mgを服用。
    同時にいくつかの抗うつ剤。
    2014年10月 、クロナゼパム1.25mg追加。
    2015年1月20日、依存症専門施設でデトックス(急減薬)。

    【発症した離脱症状】:
    顔、口、手、足が絶え間なくうずく。 耳鳴り、頻脈、動悸。
    最も厳しかった症状は、絶対恐怖、抑うつ、混乱、不安感。