書籍『ベンゾ系睡眠薬・抗不安薬の安全な離脱方法 改訂版』(A5版284ページ)販売中)

    日本でのベンゾジアゼピン長期服薬者数

    著者:

    ベンゾジアゼピン情報センター管理人

    投稿:2018年6月11日

    厚労省が2017年10月に第二回NDBオープンデータを公表しました。これは平成27年(2015年)4月~平成28年(2016年)3月診療分の医療関係データ1年分の総計を項目ごとにまとめたものです(詳しくは第2回NDBオープンデータ)。このデータからベンゾジアゼピン薬の長期服薬者数がある程度正確に積算できました。以下、積算方法を具体的に示す。(※ ここでの長期服用とは3週間を超えるものをいう)

    ①「1日あたりのベンゾジアゼピン薬消費量の計算」

    方法1:上記ページのメニューから、■処方薬(内服/外用/注射) → 内服 → 

    日本で処方されたすべての処方薬が1年に何錠処方されたか、のデータが年齢別に載っています。※ (院外)(院内)というのは院外処方、院内処方のこと。

    薬効分類名称として「催眠鎮静剤,抗不安剤」という分類項目が出てきます。ここで分類された薬剤はすべてベンゾジアゼピン薬剤になります。また、その次の分類として「抗てんかん剤」が出てきます。リボトリールとランドセンはこちらに分類されています。そしてまた下のほう、「精神神経用剤」という分類にデパス(ジェネリック名 エチゾラム)があります。
    これらをすべて合計します。

    結果1:「日本では1年間に合計54億錠(5,399,963,267)のベンゾジアゼピン系薬が処方されている」

    方法2:これを365日で割る。そうすると1日あたり1,480万錠(14,794,420)。
    結果2:ひとり1錠づつと仮定すれば全人口(0歳児から117歳のお年寄りまで)中、11.24%の1,480万人が服用している。ひとり2錠づつなら740万人。ひとり3錠なら493万人。


    ② 「ひとりあたりの平均服薬数(単位:錠)の計算」

    方法:2017年(平成29年)10月18日に開催された中央社会保険医療協議会・総会で使われた公式資料中のグラフ(下図)より、

    (平成28年6月審査分)

    1% = 1人として合計100人の円グラフとして換算すると、1剤32%は32人、2剤24%は24人…5剤5%=5人まで合計85人の平均値は2.12錠(その他15%は頓服か短期処方か救急・手術等と推測し換算しない。) 
    結果:「結果:ひとり平均2.12錠/日

    ③ ベンゾジアゼピン薬服用者数

    方法:1日に消費されるベンゾは①により1,480万錠。それをひとり平均服薬数(錠)2.12で割る。
    1,480万 ÷ 2.12 = 698万人

    結果:「 日本でのベンゾジアゼピン薬長期服薬者数は約“700万人”」


    補足:700万人中、短期使用者の数を除外する

    上記の計算で、円グラフの中の「その他15%」を換算から除外した。つまり、その他15%こそが頓服・救急・手術前・短期服用者と見込んだうえでの計算。そしてそれは次のグラフから裏付けできる見込みである。

    3週間以内の短期処方が「ほぼ15%」。ぴったり合います。 つまり円グラフの中の「その他15%」は頓服か短期処方か救急等であろうとして換算しない、でそのまま妥当な計算となる。

    結果:「日本でのベンゾジアゼピン薬長期服薬者数は“730万人”」


    著者:ベンゾジアゼピン情報センター管理人
    ベンゾジアゼピン情報センター管理人

    非ベンゾジアゼピン薬のゾピクロン(商品名アモバン)ユーザーであった。2015年後半体調悪化し、さまざまな検査で異常なしであったため、食事内容を立て直しお酒などリスク因子について調査しひとつひとつ排除していく。その過程でベンゾの危険性と、非ベンゾジアゼピンもベンゾファミリーのひとつであることを知り減薬を決意。 中途半端な知識から最強ベンゾのひとつフルニトラゼパム(商品名サイレース、ロヒプノール)に自己判断で置換(最大の失敗)。フルニトラゼパムの急減薬で生き地獄のような離脱症状を経験する。その後フルニトラゼパム再服薬および増薬(ジアゼパム10mg)が奏功し”ある程度”安定化。主治医の協力のもとマイクロテーパリングにて減薬を始める(2017年2月)。 フルニトラゼパムの減薬は終了(2020年1月)。 現在ジアゼパムを減薬中。本職はエンジニア。
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