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    GABAレセプターの構造と機能

    原文(動画):The GABA receptor | How does it work?

    著者:

    アレオ・サファルザデ医師

    投稿:2012/03/13

    (管理人注:イエールニューヘブン病院所属のアレオサファルザデ医師の講義です。古い動画ですがGABA-A受容体の説明が短くわかりやすいので書き起こし&翻訳をしました。耐性や離脱のことまでは触れていません)

    Foundation of Sedative-Hypnotics
    最後にGABAークロライドチャンネルの説明に行きましょう。スライドに表示されてるこれです。
    では最初に見ていこう、まずはGABAークロライドチャンネル、ニューロントランスミッターのGABA。GABAはひとつだけでなく、こう、ふたつあることに注意です。なのでニューロントランスミッターGABAは、こう、2つ、と。この受容体、GABA-A受容体と呼ばれます。なぜかというと、受容体はいくつかのサブレセプターで構成される、そして真ん中をイオン軸が通ってる。
    じゃあつぎにイオンチャンネルについて見てみよう。イオンチャンネル、これはクロライド(塩化物)。クロライドはこう中を通って細胞の中へと通っている。この効果はinhibitory post synaptic potential(ポストシナプス電位の抑制)つまりIPSPです。それじゃあ、すべての接触を描いてみます。複雑なので、一緒に見よう。これがプリシナプスニューロン、これがポストシナプスニューロン。色を変えて・・・
    ではアクションポテンシャル(action potential、活動電位)の働きを説明します。
    電位がこう来て、カルシウムが来ます、そしてカルシウムはヴァシクル融合を引き起こす。(fusion of vesicles)。ヴァシクル(嚢胞)はGABAを含みます。そしてGABAはシナプスを通って、そしてポストシナプスの受容体に結合する。ここでこう、見ているとおり。つまりステップ1,活動電位がくる。ステップ2,カルシウムが入って、ステップ3、GABAのヴァシクル融合、4,シナプス間隙をとおる。5、受容体にバインド。6に、クロライドがポストシナプスニューロンに来て、IPSPを引き起こす。
    ここでは、ポストシナプスニューロンだけ見てきました。

    ここでもうひとつプリシナプスを描きます。さっきとまったく同じプロセス、えーと、ああ色がひどいね笑
    さあ今回はGABAでなくてグルタミンがくる。それも受容体に結合する。この場合、細胞外ナトリウム(sodium)をそのチャネルを通してポストシナプスニューロンに取り込む。そして、結局このポストニューロンがすることは、こちらが(下のほう)ポジティブ(興奮系)、こちらが(上のほう)ネガティブ(抑制系)、そしてポジティブなほうが閾値に達しなければポストニューロンは、ここにある索軸のソディウム(ナトリウム)チャンネルに通過させることになる。

    雑な絵でもうしわけない。もうひとつダイアグラムを表示します(折れ線グラフ)。

    睡眠薬はCNS(中枢神経系)抑制効果に頼っています、ここで説明しましょう、えーと色をオレンジに変えて、興奮系の刺激のケースですと、グルタミンが閾値を超えると、ボン!跳ね上がります。そして活動電位はもとに戻る。
    さて抑制系の刺激に戻って、えーここでGABA、GABAはここで深くグラフを沈めます。次に興奮系刺激でグルタミンが入ってきても、閾値を超えないので、結果としてCNS抑制効果が起きます。最終的に、まったくコミュニケーションがない、もしくは極めて少ない状態になります。ですから、もしこいつらが(抑制系のプリシナプス)が興奮系を超えると、直接中枢神経系に作用する。わかったかな?

    それじゃあ受容体そのものをみてみよう。GABA,ベンゾ、そしてバルビツールがあります。これらは別々の受容体にバインドする。輪切りにした図を見てみよう。ここにまずGABA。GABAはサブユニットα1にバインドする。Benzoはサブユニットα1とγに。バルビツールはβとγに。

    重要なのは、ベンゾとバルビツールは競合しないということ。つまり、それらの効果は合算される(additive)。
    ベンゾはここで2つにバインドされている(α1とγ)。この両方にバインドされている受容体部分をBZ1受容体と呼びます。おそらくもちろんα1サブユニットに効果をもたらしてるでしょうね。なぜこんなことを言い出したかといいますと、次のことを覚えてほしいのです。いくつかの新しい睡眠薬(Newer Hypnotics)があります。とても選択的にBZ1受容体の、α1受容体だけに働きかけます。(γとαの位置的に)この新しい睡眠薬は選択的にαのほうのみに効果するので、通常の睡眠薬よりも利点があります。えーここに見えますゾルピデム、アンビエンまたはゾルピデム。が、それです。

    最後に追記したいのは、それぞれバインドされた受容体がありますがその中央にイオンチャンネルがあります。これはGABA-Aクロライドチャンネル。じつはGABA-Bチャンネルもあります。クロライドが細胞に直通してカルシウムを流入させるのと違い、GABA-Bは、K+(訳注:聞き取り不可能)を外にだす。一方バルビツールは筋痙攣に使われる。あとでまたバルビツールについては触れます。

    さて、ここにフルマゼニルがあります。ベンゾと新しい睡眠薬ゾルピデムに挟まれています。これはアンタゴニスト(拮抗)です。えーとアンタゴ・・・アンタゴニスト、と。したがってベンゾとゾルピデムの効果を逆転させます。

    これらのストラクチャーを理解することでこれらがどう機能するかがわかります。最後はいくつかの質問事項を載せました。宿題として行うかどうかは各自に任せます。まあやってみて。

    (翻訳&注釈:ベンゾジアゼピン情報センター 管理人


    著者:アレオ・サファルザデ医師
    アレオ・サファルザデ医師

    コネチカット州、イエール・ニューヘイヴンホスピタル 胸部外科レジデンシャル外科医