書籍『ベンゾ系睡眠薬・抗不安薬の安全な離脱方法 改訂版』(A5版284ページ)販売中)

    ドライマイクロテーパリングでの減薬方法

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    服用方法を変更する前にかならず主治医および薬剤師に相談するようにしてください。変更によって症状の悪化、あるいは新たな症状の追加があった場合はすぐに元の服用方法に戻してください。

    わたしが行っているドライマイクロテーパリング法での減薬方法を説明したいと思います。
    用意するものは、
     ・秤(ハカリ)
     ・薬匙(やくさじ。粉末や顆粒などをすくうためのスプーン)
     ・細粉(細粒に乳糖を足した混合剤)
    以上です。秤と薬匙はアマゾンで買いました。細粉は細粒剤のことです(デパス細粒1%やメイラックス細粒1%などのこと)。わたしの場合は、ジアゼパム細粒1%に乳糖を混ぜて薄めたものを使用しています。詳しくは以下に説明します。

    薬匙について
    わたしが使用しているものは「6-524-02というサイズのものです。

    アズワン ミクロスパーテル 180丸細 ステンレス /6-524-02
    6-524-02という商品番号の02という数字が、スプーン全体および先端のさじ部分のサイズを表します。07ですとかなり大きいです。使うことはないでしょう。01にするととても小さく、微量ずつすくうのに都合が良いです。01~05あたりで2本くらい用意すれば良いでしょう。

    秤について
    秤は以下のものを使用しています。誤差は±0.003g(±3mg)くらいです。値段に比して非常に高性能です。

    Balanada 改良版 携帯タイプ ポケットデジタル スケール 0.001g-50g精密 業務用(プロ用) デジタルスケール 電子天秤

    細粉について
    細粉はジアゼパム細粒1%に乳糖を混ぜて10倍に薄めた混合剤を使用しています。処方箋が必要であり、主治医には『ジアゼパム細粒1%を0.1g』と『乳糖 0.9g』/1日を30日分、といった処方箋を頂いています。つまり、1日あたりジアゼパム1mgを処方する処方箋です(『ジアゼパム細粒1%』が0.1g(100mg)あると、それはジアゼパム1mg相当になります)。

    薬局で細粒剤を処方する際、多くの場合それは錠剤のように始めからひとつづつ分けて包装されておらず、瓶にたくさん入って保管されているものを、調剤薬局で機械を使い処方箋にしたがって1包ずつ分けてくれます。


    そして調剤薬局には処方箋と同時にこちらを印刷して持っていきます。

    ・10倍まで薄めなくても2倍や5倍でも良いという人もいるでしょう。2倍に薄めることを2倍散、10倍を10倍散と言います。
    ・電子天秤には誤差がありますから、なるべく薄くし、総重量を増やした方が誤差が出にくいでしょう。賦形剤として乳糖が選ばれるのは、均等混合に適しており広い粒度分布がある(つまり、まんべんなく混ざりやすい)からだそうです。今のところ(2021年5月現在)、わたしの減量作業は10倍散を使って、ジアゼパム0.001mgずつのマイクロテーパリングを進めていますがうまく行っています。


    手順
    それではやり方を順に説明します。
    今回はジアゼパム0.377mgを服用します。用意した細粒剤はジアゼパム細粒1%の10倍散で、ジアゼパム1mg相当です。重さは1g(1000mg)です。したがって、ここから0.377g(377mg)を計り取ります。

    ①秤と薬匙と細粒剤を用意。


    ②秤に細粒剤を大きめの薬匙を使って乗せていきます。

    目標の0.377g(377mg)近辺まで載せました。


    ③皿の中央に山盛りになっている細粒剤を均等にならして平にします。誤差を少なくするためです。


    ④小さめの薬匙を使って0.377gになるよう減らして(あるいは増やして)いきます。


    ⑤細粒剤を微量ずつ加えたり除いたり…微調整を繰り返します。
    この秤ですと、0.00xグラムの超微量を加えたり除いたりしても反応してくれるほど高性能ではありません。しかし、超微量を調整した後に皿を薬匙でトンと軽く叩いて一瞬重さを加えると計り直してくれます(錠剤の場合は薬を皿に乗せなおすことで計り直しができたが、細粒剤の場合はそうはいかないのでこのやり方で行います)。


    ⑥皿の叩きどころによっても重さが少し違ってくるので、皿の中央、端っこ、など色々なところをトントン叩いてみて秤のクセをつかんでください。大切なのは重量の正確性ではなく、昨日と今日とで計り方を同じにすることです。「これが私のいつものやり方」を標準化できれば良いのです。

    ⑦なんとか0.377g(377mg)に落ち着きました。慣れればここまで10分以内で完了します。


    ⑧電源をオフにし、秤を静かに手にもって、ショートカクテルを飲むときのように口に近づけて舌で掬いとって服用します。
    はしたないやり方ですが、オブラートを使うことも試しましたがオブラート1枚はとても重量があります(0.1gくらい)。オブラートごとの重さも違うため誤差が大きくなります。今のところは直接舌で舐めとるやり方が最適解となっています。
    息で吹き飛ばさないよう、注意して行います。

    ・終わったらアルコールシートで秤や薬匙を拭いておきましょう。
    ・細粒剤は暗所に保管しましょう。まだ一包に残りがある場合は翌日もそれを使いますが、湿気の多い時期は湿気を含んで重さが変わってしまうかもしれないので、開封済みの一包は捨てた方が良いかもしれません。


    著者:ベンゾジアゼピン情報センター管理人
    ベンゾジアゼピン情報センター管理人

    非ベンゾジアゼピン薬のゾピクロン(商品名アモバン)ユーザーであった。2015年後半体調悪化し、さまざまな検査で異常なしであったため、食事内容を立て直しお酒などリスク因子について調査しひとつひとつ排除していく。その過程でベンゾの危険性と、非ベンゾジアゼピンもベンゾファミリーのひとつであることを知り減薬を決意。 中途半端な知識から最強ベンゾのひとつフルニトラゼパム(商品名サイレース、ロヒプノール)に自己判断で置換(最大の失敗)。フルニトラゼパムの急減薬で生き地獄のような離脱症状を経験する。その後フルニトラゼパム再服薬および増薬(ジアゼパム10mg)が奏功し”ある程度”安定化。主治医の協力のもとマイクロテーパリングにて減薬を始める(2017年2月)。 フルニトラゼパムの減薬は終了(2020年1月)。 現在ジアゼパムを減薬中。本職はエンジニア。
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